2005 年 40.3 巻 p. 445-450
近年、歴史的木造住宅の価値が再認識されてきているが、改修資金が捻出できず歴史的木造住宅が消失しつつある。地域にとって重要な資源を保全していく上で、その改修資金を捻出する方法を検討することは重要な課題である。本研究は、歴史的木造住宅を保全するための方法として、不動産証券化手法に着目するものである。まず、歴史的木造住宅保全のために有効な証券化スキームを検討し、成立する条件を示した。次に、寺社、金融機関、不動産会社へ意識調査を行い、証券化を進めるための問題点を把握し、その解決策を検討した。