本研究では、東京 23区におけるギャラリーの空間的特性を明らかにした。結論は以下の5点である。1)現代美術家の作品発表の場は、約9割が何らかの形でギャラリーを利用している。2)東京 23区におけるギャラリーは、特に銀座・京橋エリアと青山エリアに集中している。集中エリアは他業種との比較から、全体として「高級品」を扱うエリアであることが推察された。3)銀座・京橋エリアと青山エリアのギャラリーは、立地特性から「大通り沿い型」「隠れ家型」「裏通り店舗型」の3つに分類される。4)銀座・京橋では青山に比べて【閉鎖的ギャラリー】が多い。一方、いずれのエリアにも【開放的ギャラリー】が集中する通りや街区は見られない。5)店主の意識とギャラリー同士の協力次第では、人々が気軽に参加できるイベントを行うなど工夫をすることで、ギャラリー集合が文化発信拠点となり得る可能性は垣間見える。