都市計画論文集
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風土的景観の継承活動としての市民参加型石積みに関する研究
庄野 武朗三宅 正弘
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2005 年 40.3 巻 p. 901-906

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抄録
地域生活のなかで地場の材料を使用し、また地場の技術を用いて歴史的に形成されてきた風土的景観の継承は、今日、その材料、技術、人材など課題も少なくない。しかし、近年、各地でその継承活動の機運が高まっている。西日本各地で始まっている「石積み教室」もその一つである。これらは単なる景観保全の観点だけではなく、人々が暮らす生活空間の維持管理活動である。本研究では、石積み教室の立ち上げに必要な要件と石積み教室を維持・継承を促すための要件を明らかにすることを目的としている。調査方法は実際の石積み教室に参加し、その実態を記録した。研究対象地区は西日本の中で 8地区とした。結論として、石積み教室の立ち上げには、活動組織や指導者の存在、地場石材を確保できる地域であることが必要であり、継承を促すためには、石を入手する仕組みをつくることや制約を受けにくい土地の確保、他活動のと連携などが挙げられる。
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© 2005 公益社団法人 日本都市計画学会
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