2005 年 40.3 巻 p. 919-924
本研究では、東京都練馬区において、ファーマーズマーケットが開設されたことによる生産者と地元消費者に対する影響を明らかにする。研究はアンケート・ヒアリング調査により行い、(1)生産者の経営状態とファーマーズマーケットに対する意識の変化(2)地元消費者の農業に対する意識及び生活行動の変化、を把握し分析する。それにより以下が明らかになった。(1)生産者側の影響として生産物の多品種化による生産量の増加、経営の安定がもたらされた(2)地元消費者側の影響として安価で新鮮・安全な作物の購入が可能になった。しかし、地元消費者が欲する作物の安全性に関する情報提供、都市内に存在する農地や農薬使用への不満といった問題が解決されるには至っていない。