抄録
本論文は,緑地の配置に関わる複数の意図((1)緑地間の距離,(2)緑地-市街地間の距離,(3)緑地-市街地間の接触)を反映した変数からなる最適化モデルを,緑地と市街地の2種類の土地利用比率が異なる複数の空間に適用し,市街地との混合度から見た緑地の適正配置パターンを明らかにした.その結果,(1)緑地の配置に関わる意図の様々な重みと組み合わせのもとで見いだされた緑地の適正配置はいくつかのパターンに限られていたこと,(2)緑地の適正配置パターンの形成には,緑地と市街地間の距離と緑地と市街地間の接触が大きな影響を与えていたことなどが明らかにされた.これらの結果から,緑地と市街地の配置目標は,本研究で示されたいくつかの配置パターンの使い分けによって対応できる可能性が考察された.