本研究の目的は、高齢者と身体障害者を対象とした鉄道駅施設のバリアフリー化の価値を、直接的利用価値とオプション価値として、算出することである。はじめに、鉄道駅施設のバリアフリー化に対する支払意志額(WTP)を調べるために、アンケートを用いた調査を行った。次に、指数関数型の需要関数を仮定することによって、平均支払意志額を推計した。その結果、高齢者を対象とした鉄道駅施設のバリアフリー化においては、直接的利用価値として算出したエレベーターの設置とエスカレーターの設置が最も高い値となった。障害者を対象とした鉄道駅施設のバリアフリー化においては、オプション価値として算出されたエレベーターの設置が最も高い値となった。