都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
Print ISSN : 0916-0647
ISSN-L : 0916-0647
指定管理者制度による都市公園の管理運営における協働事業の実態とあり方
御所湖広域公園と花巻広域公園を事例として
大瀧 英知三宅 諭
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2007 年 42.3 巻 p. 181-186

詳細
抄録

本研究は指定管理者制度導入のもと、協働による都市公園の管理運営の効果に関しての知見を得るため、岩手県にある御所湖広域公園と花巻広域公園を事例に、協働の枠組みを設定した上で、制度導入の成果として、以下の点を明らかにした。(1)指定管理者には管理能力、利用促進計画、地域連携、実績、費用削減が求められる。地域連携の促進には、公園や地域と関わってきた経緯も重要である。(2)制度の導入は事業に関わる主体が増加した。(3)金銭的補助を受けた場合、対等関係を築き難い。(4)制度導入により効果的な管理費削減が達成され、利用も促進された。以上のことから、都市公園の指定管理者制度は従来の管理委託制度に比べ、経費の削減、利用促進、地域連携の実現につながることが明らかとなった。また、今後の課題として以下の点を明らかにした。(1)活動主体が増加すると、初動期には十分な情報公開が果たされないこと。(2)地域連携を重視しない場合、指定管理者と公園コミュニティの相互の理解が達成し難いこと。(3)一般利用者に浸透していないこと。

著者関連情報
© 2007 公益社団法人 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top