都市計画論文集
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再統一後のベルリン市における既成市街地の再開発に関する研究
旧東ベルリン、プレンツラウアー・ベルグ地域を事例として
太田 尚孝大村 謙二郎有田 智一藤井 さやか
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2007 年 42.3 巻 p. 379-384

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抄録
本研究の目的は、再統一後のベルリン市における再開発の特徴と課題を明らかにすることである。本研究の方法は、ベルリン市の再開発政策の分析と、再開発地区が集中化している旧東ドイツのプレンツラウアー・ベルグで行われているプロジェクト分析に基づく。本研究から得られた知見は、以下の三点である。1.再統一後のベルリンには、東側を中心に前時代的な住宅ストックが大量に存在していた。これに対して、ベルリン市は西独時代に築かれた「慎重な都市更新」を理念としては引き継ぎながらも、新しい社会経済環境の中で現実には変容を迫られている。2.プレンツラウアー・ベルグでは再統一後に住宅の近代化や居住環境の改善が進んだが、市場性や目的性に強く左右されている。3.戦後のベルリンの再開発は、19世紀型の市街地をいかに改善するかが主要課題であったが、その時代ごとで再開発の理念や手法は大きく変化している。
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© 2007 公益社団法人 日本都市計画学会
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