都市計画論文集
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再帰的過程と後背地の効果を組み入れた確定的ハフモデルによる圏域設定
玉川 英則
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2007 年 42.3 巻 p. 475-480

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抄録
本稿は、古典的なハフ・モデルによる圏域設定に対し新たな考察を行ったものである。線分状の都市に立地する2つの施設が、確定的に解釈したハフ・モデルにもとづき圏域を分割するという設定において、当期の圏域の大きさが次期の施設規模に反映されるという「再帰的過程」と、施設の立地点が端点に限らないという意味での「後背地の効果」を組み入れたモデルを開発した。このモデルの挙動を検討した結果、大局的には「距離抵抗係数が減少するほど一極集中がおこりやすくなる」という一般的な傾向が確認されたが、一方で、最初小さな施設が「逆転」して拡大する現象や、距離抵抗の小さい場合でも2つの施設が「共存」するケースなど、後背地のある場合に特徴的な傾向が新たに見いだされた。
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© 2007 公益社団法人 日本都市計画学会
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