都市計画論文集
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伝統工芸産地における空間利用の変遷と課題に関する研究
福井県越前市五箇地区の和紙産業を対象として
時岡 壮太後藤 春彦佐久間 康富
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2007 年 42.3 巻 p. 49-54

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抄録
本研究では越前和紙の産地である福井県越前市の五箇地区を対象に、産業空間の利用の変遷を明らかにし、産地の現状を照らし合わせ、現在の産業空間の過不足を整理し、今後の伝統工芸産地の空間マネージメントのための知見を得ることを目的とした。本研究で明らかになったのは以下の点である。・手漉き業は機械漉き業にくらべ併設型が多く、住宅と事業所の位置関係が近い。・産地観光化に関しては景観の悪化が、新規居住者に関しては住宅の不足が問題点となっている。・「技術向上」が1950~60年代に集中しておこっている。しかし1970年代以降は変遷が多様化してる。・手漉き業では「放置」が1970年代より現れており、「生活向上」が1960年代から現在にいたるまで継続している。機械漉き業では「流通対応」が1970年代から増加し、現在にいたるまで継続している。手漉き業では転用型が多いのに対し機械漉き業では追加型の変遷が多い。
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© 2007 公益社団法人 日本都市計画学会
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