抄録
中心市街地衰退が私用目的交通行動へ及ぼす影響を、新潟都市圏を対象に実証的に評価した。結果として、集中トリップの増減と大型SCの業態別面積の増減の関係から、複合業種を有する店舗形態のトリップ吸引力が大きく中心市街地との競合関係が最も強いことが明らかとなったが、郊外部では大型SCの立地に伴うトリップ距離やトリップ回数の増大は見られず、中心市街地衰退に伴うODパターンの大きな変化は中心市街地フリンジ部に限られることが明らかとなった。また、ハフモデルによるシミュレーション分析による結果から、郊外全域を対象とした大型SCの立地規制はトリップ距離を増大させ、環境負荷の増大を引き起こす可能性が高いことが示唆された。