都市計画論文集
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韓国の広域都市計画による広域調整に関する一考察
開発制限区域(グリーンベルト)の調整手法
朴 承根瀬田 史彦大西 隆
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ジャーナル オープンアクセス

2007 年 42.3 巻 p. 775-780

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抄録

韓国では1999年以降、国土及び都市計画制度の改正が行われ、土地利用計画制度の一元化が行われた。また、同時期に広域都市計画が創設されて広域的な調整が図られるようになった。本研究は、韓国の広域都市計画における、グリーン・ベルト調整を中心とした広域調整手法を事例に広域調整のあり方の提示と日本への示唆を目的としている。韓国では、1971年にグリーン・ベルトが登場して都市拡散の防止や環境保護に貢献してきた。しかし、財産権の侵害やその他の問題点が指摘され、一部調整の必要性が台頭したのである。ところが、グリーン・ベルトは複数の市にまたがる場合が多く、調整のためには広域的な合意形成が必要となる。韓国政府はその方法として広域都市計画を選んだ。広域都市計画によるグリーン・ベルトの調整は、科学的な方法を利用することで、客観的な合意に至らせた。このような韓国の経験が、今後の日本の広域調整に参考になるのではないかと思われる。

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© 2007 公益社団法人 日本都市計画学会
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