抄録
一般既成市街地における住民主体の街並み整備を支援することを目的とした制度には、次の2点を兼ね備えていることが重要と考える。1)普及性:制度を多くの住民に使ってもらうこと、2)街並みづくりの実効性:住民が近隣と協調しながら街並みをつくっていくことの実現及び担保、である。そこで本研究は、上記の2点の獲得を狙いとした、先進的かつ運用実績のある戸田市都市景観条例における三軒協定制度を取り上げ、運用実態を分析し、同制度の課題について明らかにすることを目的とした。まず、文献や行政担当者へのヒアリング調査より三軒協定制度の仕組みについて明らかにし、次に住宅形態調査、住民へのアンケート調査、ヒアリング調査を元にしたケーススタディより三軒協定制度の運用実態を明らかにした。最後に、三軒協定制度の課題をまとめ、改善点を提示した。