2024 年 53 巻 6 号 p. xxxii-xxxv
ループテクニック法は僧帽弁形成術での人工腱索再建法の一種であり,ライプチヒのMohr先生が開発した方法である.術中に計測した人工腱索長を参考に,ループの長さを決定する.計測した長さのループセットをePTFE糸とプレジットを用いて作成する.ループセットを乳頭筋に固定し,各ループを弁尖の逸脱部位に縫着する.この方法の特色は,前尖,後尖の逸脱にも同じ方法で行うことができる点である.正中切開手術でも右小開胸手術でも応用でき,最近ではロボット支援手術にも用いられている.ループテクニック法の考え方およびキーポイントを説明する.