抄録
近時、バブル崩壊以降、数多くの都市開発プロジェクトが数多く計画されてきたが、本論文においては、特に、東京都心における大手町・丸の内・有楽町地区を対象に、上位計画や個別プロジェクトにおける官民協議に示されてきた望ましい都心の将来像を整理し、機能変容という視点から、その将来像がどのように具体化されてきたのかを明らかにした。その結果、当該地区においては、従来からの中枢機能である業務機能の高度化と並んで、業務以外の多様な機能の導入により、短期間の内に新たな国際競争力を持った多機能都心空間が出現するとともに、関係各主体の協調による街づくりの試みが実践されているという点で、日本型PPPの成功事例のひとつとして位置づけられると考えられる。