都市計画論文集
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地域資源としての工場に対する住民意識構造に関する研究
森奥 悠人松村 暢彦鳴海 邦碩
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2008 年 43.3 巻 p. 481-486

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抄録
近年、社会構造が変化していく中で、工場の廃業・移転に伴う産業の空洞化が、地域経営上の重要課題として着目されている。そこで、近年、工場の流出が著しくその打開策が求められている大阪府茨木市を研究対象地として選定し、地域資源としての工場が地域住民によってどのように受け止められているかを検証するために意識調査を実施した。研究ではまず、地域及び工場に対する意識から導き出された潜在意識間の共分散構造分析を試みた。その結果、工場に対する意識が高い人ほど、地域に対する意識も高いという傾向を把握でき、地域住民の意識面において工場を守り育てていく素地と意味が十分にあることが知見として得ることができた。さらに各潜在意識の属性別特徴、施策選好に与える影響も把握でき、産業の空洞化や企業流出といった地域問題を解決する一つの手段として、好意的な住民意識を活かしていくことの有効性を示すことができた。
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© 2008 公益社団法人 日本都市計画学会
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