2008 年 43.3 巻 p. 811-816
本研究では、LRT導入による影響を明らかにするため、LRTが導入され都市内交通として定着しているフランスのストラスブールと、LRTの導入が予定されているミュールーズを調査対象とし、ストラスブールおよびミュールーズのLRT導入に関する事前・事後調査報告書の記述内容を精査し、LRT導入による交通行動や社会経済に対する影響について評価項目ごとに整理している。その結果、自動車交通については、LRTの導入や交通サーキュレーションなどの影響を受け減少傾向にあることが明らかとなった。しかし、中心部の商業や賃貸料への影響については、十分に明らかにされておらず、その点には留意する必要がある.