都市計画論文集
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明治前半期の仙台における軍事施設配置の特異性について
加藤 宏
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2009 年 44.1 巻 p. 20-29

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抄録
明治前半期の軍都においては、主要な軍事施設が旧城郭周辺部に設置されたが、仙台の場合は旧仙台城周辺部と市街地外縁部の榴ヶ岡に二分された。これはきわめて特異な配置である。この特異な配置に至った要因を探るため、仙台における軍事施設配置の経緯を調査し、旧仙台城周辺部と榴ヶ岡について軍事施設設置の立地条件を詳細に検討した。旧仙台城周辺部は洪水によって橋が流失して孤立する懸念があったが、榴ヶ岡は用地が狭かったため、主要な軍事施設が両者に二分して配置されたものと考えられる。仙台では主要な官衙および軍事施設を結ぶ道路が官衙道として整備されたので、市街地を挟んで東西に二分されているという特異な軍事施設の配置が仙台の交通網整備に大きな影響を与えた。
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© 2009 公益社団法人 日本都市計画学会
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