都市計画論文集
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三好学を起点とする「景観」および「景観類義語」の概念と展開に関する研究
渡部 章郎
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2009 年 44.1 巻 p. 75-80

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抄録
2004年、景観法が施行され、市民の期待が大きいものとなっている。この研究は「景観」という語の誕生及び変遷に焦点を当て、景観概念が形成されていく過程を調べたものである。その結果「景観」という用語は三好学の文献では、1902年に植物の景観と限定して初使用された。その後、造園界等でも専門用語として使用されてきた。1920年代に、ドイツのLandschaft論が、日本の地理学界に導入され、辻村太郎はLandschafの翻訳語として「景観」の語をあて、概念としては視覚的なもので、風景と同様なものと理論化し、それが一般にも広まっていく。一方、Landschaftの第一義は地域概念であるが、英語Landscapeや日本の風景には地域概念が希薄であり、この差異が多くの議論を呼んできた。 
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© 2009 公益社団法人 日本都市計画学会
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