抄録
都市の中心市街地において買い物を行いながら回遊する歩行者の行動モデルを提案する。歩行者は業種訪問順序をシナリオとしてもち、ブロック単位に分割されたと新商業地域を、商圏モデルに基づき業種別商業集積と現在地からの距離によって確率的に街区を選択しつつ回遊する。街区選択を業種別の商業集積規模に応じて行うことで、書店などの比較的小規模でも成立しうる業種の施設立地を回遊行動に反映させうることが期待される。青森市と山形市中心市街地を例に歩行者通行量の実測値を用いて商業集積規模の誘引と距離のパラメータの設定を行った。中心市街地の規模やブロックごとの商業集積の業種分布の違いがパラメータに反映することが明らかとなった。