本研究では, 『大学入試研究ジャーナル』にこれまで掲載された論文を対象に, 追跡調査に限定したレビューを実施した。レビューの視点は, ①「どのような分野 (学部) で主に行われてきたか」②「どのような入試方法が分析の対象になったか」③「入学前および入学後の情報としてどのような指標が分析に用いられたのか」④「代表的な分析結果」である。その結果, すべての大学や学部で汎用的に使用可能な追跡調査の方法や共通的に援用できる分析結果は, ほぼ存在しないことが示されたものの, 新たな視点として, 入学後教育における教育的活用を前提とした追跡調査のあり方の重要性が示唆された。