都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
Print ISSN : 0916-0647
ISSN-L : 0916-0647
大型商業施設乗り入れバスの実態と今後の展開可能性に関する研究
榎本 拓真中村 文彦岡村 敏之
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2009 年 44.3 巻 p. 505-510

詳細
抄録

大型商業施設の郊外立地が問題となっているが、近年、郊外立地の外部性を低減するようなサービスの導入が増加傾向にある。本研究では、大型SC乗り入れバスに着目し、その実態と展開可能性について、バス事業者へのヒアリング調査、現地調査によって明らかにした。結果として、バス事業者と大型SCとがwin-winの関係を築けるような費用負担関係で、バスサービスが実施されており、高速バス乗り入れ、路線バス乗り入れ両者において、今後さらに導入事例が増えると考えられる。一方で、大型SC乗り入れバスの導入は、需要が確実に見込める路線に限られ、地域の移動制約問題を完全に解消する可能性は小さい。そこで、今後、交通政策サイドでは、地域公共交通会議の活用によって、大型SCへのアクセスを含めて、公共交通ネットワークを戦略的に形成していくことが課題となり、中長期的には、集約型都市構造の形成のために土地利用政策と交通政策の綿密な連携が課題となることを明らかにした。

著者関連情報
© 2009 公益社団法人 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top