都市計画論文集
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公共交通利便性に着目したガソリン価格が交通行動・運転行動に及ぼす影響分析
2008年8月のガソリン高騰時における自動車利用の変化の実態
松本 幸正
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ジャーナル オープンアクセス

2009 年 44.3 巻 p. 523-528

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抄録

本研究では、2008年8月に第二次オイルショック以来の最高値を記録したガソリン価格を、人々はどのように感じ、また、その結果、どのような交通行動や運転行動の変化が生じたかをアンケートによって明らかにした。対象地域として、公共交通のサービス水準が異なる地域を選び、公共交通の利便性が交通行動変化などにどのように影響したかを分析した。その結果、ガソリン価格の高騰に伴って生じた最も多い交通行動・運転行動の変化は、急発進・急加速を避けることや走行速度の抑制などのエコドライブであり、車利用を減らす、外出回数を減らす、あるいは、目的地を近場にした人たちも約半数いたことがわかった。また、自動車から徒歩や自転車への手段転換が進んでいたこともわかった。地域の公共交通のサービス水準は、主に、利用が増えた交通手段に差違をもたらし、鉄道利用は便利地域、バス利用は中間地域、相乗りの増加は不便地域で最も起きていたことがわかった。

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© 2009 公益社団法人 日本都市計画学会
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