2009 年 44.3 巻 p. 733-738
本研究では、地方小規模自治体におけるインフラ資産投資、管理政策が、自治体財政の長期的な健全性に及ぼす影響を分析する。具体的には、総務省方式改訂モデルに基づく公会計基準に基づいて、地方自治体の損益計算書、バランスシートを作成するとともに、自治体の歳出政策が、損益計算書、貸借対照表で表現される自治体ストック、フローの経年的な変化に及ぼす影響について財政シミュレーションモデルを用いて分析する方法を提案する。さらに、具体的に鳥取県日南町を対象として、インフラ資産管理政策(新規投資、および維持補修投資)が、同町における資産ストックの経年変化、および財政状態の健全性に及ぼす影響に関して実証的に分析する。