都市計画論文集
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鹿児島県下・地方都市の戦災復興都市計画における広場の計画・実施とその現況
岩元 俊輔木方 十根
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2009 年 44.3 巻 p. 823-828

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抄録
鹿児島県は太平洋戦争末期において小都市に至るまで戦災を被った。本論は、こうした鹿児島県下の地方小都市の戦災復興都市計画における広場の計画に着目した研究である。その目的は広場の計画と実施状況を把握することでその特色を明らかにすること、実施された広場の現況および現況に至る過程での改修・改変の実態を明らかにすることを通して、都市計画資産の継承について問題提起することである。本報告で明らかとなったことは、鹿児島県の小都市では、ロータリーや親水空間などが計画され、都市美の形成を意図した広場が実現したこと。しかしながら、当初計画では美観や親水性に考慮して設けた広場が、交通優先の機能重視の改変によって、その空間的価値や意味を喪失し、現在では市民の空間としての価値が認識されることのない状況にあること。以上である。
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© 2009 公益社団法人 日本都市計画学会
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