2010 年 45.3 巻 p. 121-126
北海道は広域分散型社会と言われており、高速道路による面的連携を考慮して社会基盤整備が行われてきた。しかし、それが結果として時間距離において地域間を近接させ、今日の一極集中現象を引き起こしたといえる。このような状況の下、高速道路無料化は、物流コストの低下などの効果が見込まれる一方で、ストロー効果により地方を疲弊させるといった懸念もある。そこで本研究では、わが国の道路整備財源制度と高速道路無料化の経緯をまとめるとともに、P. Allenのモデルを基に高速道路無料化が実現した場合の北海道の人口推移についてシミュレーションを行い、これにより高速道路無料化がもたらす影響について考察することを目的とする。