都市計画論文集
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定性基準による協議許可型の景観形成手法の課題と可能性
英国DASと3市の景観地区制度の運用実態より
小浦 久子
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 45.3 巻 p. 301-306

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抄録

英国の計画許可申請においてデザインの正当性を説明する文書であるDASおよび、京都・鎌倉・芦屋における景観地区の運用実態の調査にもとづき、定性基準を合理的に運用するための制度的工夫と定性基準による協議許可型の制度運用の可能性について考察した。定性基準は場所ごとに適正な解釈が求められるところに特徴があり、事前明示性と場所ごとの判断をどのように調整するかが基準の適用において難しい。3市では事前相談・協議が行われている。これらの事例分析により、適切な事前協議は計画調整に重要な役割を果たすこと、事前相談や協議において共有化される基準の解釈を計画の認定において参照基準として制度的に位置づけていくことの工夫が、今後の協議許可型運用を進めていくうえで課題となることが指摘できる。

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© 2010 公益社団法人 日本都市計画学会
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