2010 年 45.3 巻 p. 307-312
まちづくりにおける利害調整や合意形成のプロセスを理解・記述し、円滑化させる方策を導くために数多くの研究アプローチが採用されている。しかしコミュニティの計画策定プロセスには多様な主体、経年的な相互関係の積み上げがあることにより、捨象した記述や数理的な解析を行うことが難しい場面もある。そこで本研究ではある商店街地区のアーケード改修工事に係る計画策定プロセスを対象として関係主体間のコミュニケーションに着目して参与観察を行った。その記録結果をもとに計画策定プロセスをフェーズに区分するとともに、フェーズと、フェーズが変化するパートに焦点を当て、効率的に短縮化されたプロセス、不適切なプロセス等を構造的に記述するとともに、プロセス的な合理化の可能性について考察を加えた。