抄録
東南アジア諸国の「メガシティ」では、これまで殆ど何のコントロールもなきままに開発が進み、郊外へと市街地が拡大し続けてきた。本研究は、インドネシア・ジャカルタ首都特別州における開発の動向を包括的に明らかにすることを目的とするものであり、新たな制度的枠組みの下での空間コントロールのあり方を論じる上での基礎的知見とするもので、具体的には、事例対象地であるジャカルタ首都特別州の都市構造、空間計画、開発許可の制度的枠組みといった背景的議論を概観した上で、開発許可データに示された開発地・開発面積・開発目的などを分析し、ジャカルタ首都特別州における1971年から2009年までの開発の動向をまとめた。