都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
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都市開発プロジェクトにおける都市計画協議での公共貢献に関する議論について
丸の内地区における都市開発プロジェクトを事例に
岡田 忠夫有田 智一大村 謙二郎
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 45.3 巻 p. 319-324

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抄録

本研究は、大手町・丸の内・有楽町地区における新丸ノ内ビルディングの開発事例を対象として、公民間の協議における議論の分析を通じて、新たな公共貢献のあり方について検討することを目的とする。本研究で明らかになったことは、以下の点である。第一に、正規の都市計画手続き前の公民間の協議において、建物形態・導入用途機能・容積ボーナスなどの事業計画が確定しており、この段階の協議の重要性が明らかになった。第二に、事業者側からの、敷地外公共施設整備への貢献や、環境まちづくり支援機能や新規創業支援機能の導入など、多様な公共に貢献する内容が提案されている。第三に、こうした事業者からの提案の多様化に対応するために、行政においても容積率ボーナス対象とする範囲の多様化やプロジェクト評価方法の柔軟化が図られている。

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© 2010 公益社団法人 日本都市計画学会
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