都市計画論文集
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地区レベルでの防犯まちづくりに関する計画づくりの意義と課題
樋野 公宏吉村 輝彦
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キーワード: 防犯, 住民, 連携, 持続性
ジャーナル オープンアクセス

2010 年 45.3 巻 p. 331-336

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抄録

国土交通省・警察庁による「住まいと街の安全・安心再生プロジェクト」では、防犯まちづくりを関係機関の連携に基づく計画的なものとするため、全国13のモデル地区で「住まいと街の安全・安心再生計画」を策定した。こうした地区レベルでの防犯まちづくりに関する計画づくりの意義は、(1)関係主体の連携・協力、(2)防犯活動の継続・発展にあるという仮説に基づき、上記モデル地区等にアンケート調査とヒアリング調査を行った。調査の結果、計画策定によって(1)および(2)の効果が見られ、計画策定の意義を見出せた。しかし、行政や専門家の関与なしに住民自らが策定・実施することは難しく、普及のためには、上記の意義をできるだけ損なわず、住民が自立して策定・実施可能な計画策定のあり方を探る必要が示唆された。そこで、既存の活動や地区の課題の情報、それに緩やかな将来目標と、これらに基づき適宜企画・合意形成される新規の活動を集めた計画が定期的に更新されるプロセスを提案した。

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© 2010 公益社団法人 日本都市計画学会
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