抄録
東京都心部における都市公園は、たとえ、小規模なものであっても、関東大震災後の帝都復興事業の中において小学校隣に生み出された公園や、高度経済成長期に埋め立てられた旧水路網の上部に生み出された公園など、その成立の経緯は多様であり、基盤整備における出自の経緯が、空間的特性と街路網との関連に大きな影響を与えている。よって本研究では、そのような歴史的経緯に基づき、街路と緑地のネットワークにおいて都市公園を位置づけた中から、歩行者の利用という視点に着目し、公園に至る移動経路の分析を行った。結果として、街区公園への経路には500mの街区を単位とした二つのスケールの移動が見られたこと、街区内においては緑の配置が人々の迂回の移動に影響を及ぼしていたこと、街区間においては、隅田川による街区グリッドの歪み率が街区内移動への切り替えを及ぼしていたことがわかった。このようにして、二つ以上のスケールにおける歩行者の移動という観点という、都市公園の保全、再生、配置のための計画論を組み立てていくための基礎的知見をえることができた。