抄録
本研究の目的は、農業集落の変容と都市計画法や農業振興法による規制及び道路網形態の関係性を明らかにすることにある。そのためにまず、1990年と2000年の農林業センサスのデータを用い、主成分分析を行うことで佐賀市及び小城市における農業集落の時系列的な変容のパタンを明らかにした。また、対象地区における都市形態の特性をスぺースシンタックス理論により分析した。最後に、変容のパタンと規制の組み合わせ及び都市形態の特性の関係性を判別分析により明らかにした。その結果、農業集落の衰退は、市街化調整区域、農業振興地域、農用地区域の組み合わせによる設定とスペースシンタックス理論によって算出されたグローバルインテグレーション値と関係性があることが明らかとなった。