抄録
LRTは自動車依存からの脱却、環境負荷低減、中心市街地活性化、都市景観向上などの導入効果が期待されるが、客観的計測が困難な要素も多いことから、合意形成が難航することが多い。本研究では、統合型交通需要予測モデルを適用することで、LRT導入による交通状況変化に加えて、中心市街地活性化への貢献を定量的に把握する。名古屋市を対象とした複数のLRT計画を評価したところ、中心市街地内での自動車利用減少と自転車・徒歩による移動増加、来訪者の滞在時間や立ち寄り箇所数の増加が確認でき、LRT導入による中心市街地活性化の観点からも定量的指標を基に議論できることを示した。