都市計画論文集
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歴史まちづくりの展開過程における文化遺産の保全・活用施策とその主体に関する研究
加賀市大聖寺地区を事例として
前川 洋輝小林 史彦川上 光彦
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2011 年 46 巻 3 号 p. 193-198

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抄録
近年、地域の多様な文化遺産を活かしたまちづくりが取り組まれるようになってきた。これまでの文化財保護行政では、価値の高い指定文化財などの個別保存が中心であったが、優品でないものの保護も積極的になされるべきだと考えられるようになってきた。地域の多様な文化遺産を、地域の歴史ストーリーを語る資産群として総体でとらえ、まちづくりの視点でそれらを継承することにより、地域の魅力や活力の向上が期待できるためである。このような、地域の多様な文化遺産を地域の歴史のコンテクストから読み解き継承していくまちづくりを、本研究では歴史まちづくりと定義する。歴史まちづくりの要件として、1.多様な文化遺産を対象とする、2.多様なまちづくりの施策に取り組む、3.多様な主体が参画するの3つを挙げ、これらに着目し、歴史まちづくりが進展するプロセスを時系列で明らかにする。そして取り組み主体と対象文化遺産の属性の関係と、取り組み主体とまちづくり施策内容の関係に着目することで、歴史まちづくりの進展要因を検証することを目的とする。
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© 2011 公益社団法人 日本都市計画学会
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