2011 年 46 巻 3 号 p. 769-774
自動車の利用を前提とした社会への移行が進み、地方都市やその郊外部、あるいは中山間地域においても地域構造自体が自動車依存型となっている。このような地域では多くの高齢ドライバーが不安を抱えながらも運転を継続し続けざるを得ない状況にある。今後、高齢ドライバーのより一層の増加が確実な日本において、運転免許を返納しても生活できる環境の創造は重要な課題である。そこで本研究では、岡山県において運転免許返納者を対象にアンケート調査を実施し、運転免許返納の条件や、返納後の生活で困っている要因について分析を行った。分析の結果、自主的に運転免許を返納するためには公共交通のサービスレベルが大きく影響していることを明らかにした。