2011 年 46 巻 3 号 p. 775-780
地方都市のバス交通需要推計に、行動意図法の適用が提案されている。しかしながら、推計結果の信頼性確保のためには、対象地域における実証実験と調査分析が必要である。本研究では、地方都市の低料金バス運行交通社会実験を対象に、バス利用意図表明者の行動‐意図一致率について分析した。このため、Webアンケートシステムを作成し、同一の被験者について、交通社会実験日における事前のバス利用意図と実際の利用実態を把握した。また、利用意図と利用実態の関係を分析し、計測された行動‐意図一致率を基準値と比較し、表明意図による相違を明確にした。さらに、行動‐意図一致判別モデルを構築し、行動意図法に対応した行動‐意図一致率を算定した。この結果、交通社会実験では日常的なバス利用者について、行動意図一致率が基準値よりも高いことがわかった。