都市計画論文集
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市街地整備事業後の事業の波及に関する研究
北海道江差町を事例として
高橋 美寛久保 勝裕西森 雅広白木 里恵子
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2012 年 47 巻 3 号 p. 421-426

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抄録

我が国においては、歴史的市街地を中心に街並みの整備を起点に、地域を再生させる試みが多く行われてきた。しかし、市街地整備事業による空間整備だけでは、地域社会の活力を喚起し、持続的な発展につなげていくことはできない。空間整備と並行し、あるいは整備終了後に、様々なまちづくり事業の波及が期待される。 これは空間整備の連鎖的展開のみならず、高質化された空間の魅力をさらに引き出す方向で、地域固有の文化や産業等とリンクさせて、多様な主体が地域の運営に係っていくことが求められている。 北海道の歴史的都市である江差町では、歴史的な街並みや建造物などを保全・整備・修景する「歴史を生かすまちづくり事業」を完了した後に、多くの市民組織による多様なまちづくり事業が波及した。本論では、江差町における市民組織の活動の実態を分析し、市街地整備事業によって整備された高質空間が、その後の地域マネジメントに大きな影響を与えたことを明らかにした。

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© 2012 公益社団法人 日本都市計画学会
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