都市計画論文集
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京都・高山における町家カフェのファサード評価法に関する研究
評価者の地域特性が評価に与える影響
奥田 紫乃
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 48 巻 3 号 p. 1059-1064

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抄録

本研究では、被験者の地域特性が景観評価にどのように影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的とし、京都・高山における町家ファサードを対象とした主観評価実験を行った。実験では、京町家および高山町家の40種の実験画像を評価対象とし、京町家及び高山町家に慣れ親しんでいる事を条件に、京都府出身・在住の20代女性18人、及び岐阜県出身・在住の20代女性18人、計36人を被験者とした。評価実験の結果、わかりやすさ(明瞭性)評価においては、各地域における町家ファサードデザインの特徴が認められる1条件において、被験者の地域特性の違いが評価に影響することが示されたが、ほとんどの条件においては被験者の地域特性の違いによる評価の差異は見られなかった。また、入りやすさ(親和性)、及び落ち着きやすさ(休息性)においては、被験者の地域特性の違いによる評価の差異は全く見られなかった。一方、地域らしさ(地域性)や好ましさ(総合評価)、及び各地域におけるふさわしさ(適性)においては、各地域における町家ファサードデザインの特徴が認められる2~3の条件において、被験者の地域特性の違いによる評価の差異が認められた。

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© 2013 公益社団法人 日本都市計画学会
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