都市計画論文集
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ボロノイ分割ネットワークを用いた逐次移動-滞在選択モデル
大山 雄己羽藤 英二
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2013 年 48 巻 3 号 p. 1107-1112

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抄録
本研究ではプローブパーソンデータを用いて,ゾーン内を回遊する歩行者の行動分析を行なった.GPS技術による位置データを基に,従来得られなかった経路や滞在時間を含む詳細な移動活動分析の可能性を示した.こうしたデータの有用性をもとに地区内を移動する歩行者行動を捉え,目的地だけでなくトリップ長,トリップ時間,そして行動範囲そのものが限定的であることを明らかとした.その要因として駐車場が細かく分散して存在することでエントリーポイントと目的地が近くなっていること,また逆にそうした駐車場が歩行者にとって好ましくない環境を生んでいる状況を把握した.さらに逐次的に移動先を選択する歩行者行動モデルをボロノイ分割ネットワークを用いて構築し,分析を行なった.結果,平面駐車場が滞在,移動先の空間どちらにとっても負に働くことが定量的に確認された.歩道幅員や百貨店などが正に働くことからも,駐車場の更新が歩行者の回遊性向上に寄与する可能性を示した.
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© 2013 公益社団法人 日本都市計画学会
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