都市計画論文集
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交通手段利用履歴が大学生の将来の車購入に対する意識に与える影響に関する研究
松木 智洋室町 泰徳
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 48 巻 3 号 p. 441-446

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抄録

本研究では、現在の大学生に対するアンケート調査を実施し、過去の交通手段利用履歴が将来の車購入に対する意識に与える影響に関して検討した。首都圏と地方都市に立地する大学の大学生に関し、高校、中学、小学校高学年時における通学交通手段利用状況を検討した結果、小学校高学年では徒歩が卓越し、中学では地方都市の大学を中心に自転車が増加し、高校では首都圏都心の大学で鉄道が増える傾向が認められた。通学交通手段利用が大学生の将来の車購入意識に与える影響に関しては、クロス集計から中学時、高校時における自転車利用が正の影響を、鉄道利用が負の影響を与える可能性が示された。最後に、車購入意識を被説明変数とする順序型プロビットモデルの推定結果からは、通学交通手段として高校時の自転車利用について正の影響、高校時車利用頻度について正の影響が認められた他、情報技術の進展に関する説明変数の係数が有意であった。以上の結果から、概ね過去の交通手段利用履歴が大学生の将来の車購入に対する意識に影響を与えていると考えられる。

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© 2013 公益社団法人 日本都市計画学会
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