都市計画論文集
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都市郊外部における分譲団地の統合と建て替えの評価手法
佐藤 徹治
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2013 年 48 巻 3 号 p. 729-734

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抄録
わが国の都市郊外部では、1960~1970年代にかけて多くの住宅団地が建設されたが、近年、多くの団地で建物が老朽化し、建て替えが実施あるいは計画されている。本稿は、全国の都市で将来の人口減少が見込まれる中、社会的な効率性、持続可能性の観点から、郊外部における老朽化した団地の統合(集約)を念頭に置き、団地の建て替えの可否(建て替え団地の選択)、建て替えの最適な時期、建て替え後の最適な団地の規模および設備を検討可能な手法を提案している。さらに、提案した手法を千葉県船橋市の郊外団地に適用し、団地の統合・建て替えのあり方を検討した。検討の結果、緑台団地から撤退して芝山団地(分譲地区)と統合し、同団地において、各棟へのエレベータ設置、室内・共用スペースのバリアフリー化、遮音・防音壁の設置を取り入れた建て替えを行うことが望ましいことが示された。また統合・建て替えの最適な時期については、様々な現在価値の基準年や割引率を設定して最適な統合・建て替え時期の試算を行った上で慎重に判断する必要があることが示唆された。
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© 2013 公益社団法人 日本都市計画学会
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