抄録
マグロ延縄の枝縄基部(幹縄)と先端部に高分解能深度計を装着し, 枝縄の表層での沈降運動特性を実海面で計測した。投縄直後, 先端部の沈降は基部よりも高速だった。投縄36~112秒後に先端の沈降は減速し始め, その後幹縄と等速となった。先端部の沈降過程は, 投縄直後から枝縄が伸びきるまでの独立な落下, 幹縄に拘束されつつ沈降する減速落下, 幹縄から懸垂状態となった拘束落下の3段階から成り立つと考えた。このモデルは, 枝縄を伸ばした投縄では, 針が一定水深に到達するのにより長い時間を要することを示す。