都市計画論文集
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東日本大震災にみる復興協力行動の促進要因
住宅損壊状況と性別に着目して
青木 俊明
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2013 年 48 巻 3 号 p. 879-884

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抄録
近年のまちづくりでは、「私」を超えた協力行動が求められている。東日本大震災では、被災者の多くが協力行動を実践した。これ、危機が協力行動を促す要素を持つことを示唆している。そこで、本研究では、東日本大震災の被災度合いに着目し、それが復興活動への協力行動に与える影響を検討した。まず、規範活性化理論と予定行動理論を組み合わせた協力行動モデルを作成した。次に、自宅損失者と自宅居住者を対象に質問紙調査を行い、実際の復興協力の程度、規範意識、狭量行動の難しさ、などを計測した。分析の結果、重度被災者の方が、軽度被災者に比べて、復興への協力が難しいと感じているにもかかわらず、実際には復興活動に協力的であることが分かった。しかし、協力行動の基本構造に大きな差は見られなかった。最後に、その原因と、危機と協力行動の関係について考察を行った。
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© 2013 公益社団法人 日本都市計画学会
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