2014 年 49 巻 3 号 p. 873-878
本研究では,低頻度サービスで需要が少なかったバス路線を廃止し,乗合タクシー導入した荒尾市平井・府本地区を対象に,乗合タクシー導入前後の住民のアクティビティの実態を明らかにするためのActivity Daily調査や交通サービスの評価に関する調査を実施し,乗合タクシー導入によるアクティビティの変容について分析を行ったものである.その結果,乗合タクシー導入前よりも導入後の時空間パス面積は拡大していること,乗合タクシー導入前には自宅外活動間のつながりは希薄であったが,導入後には自宅外活動間のつながりが高い確率で生じていること,乗合タクシー利用率を向上させることにより,買い物活動の活発化やその移動満足度が向上すること,乗合タクシーの利用向上により,買い物の前に行われるその他の自宅外活動も活発化することなど,諸活動の活性化に与える乗合タクシーの導入効果明らかにした.