都市計画論文集
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開発許可条例による市街化調整区域の土地利用コントロールに関する研究
神奈川県相模原市における都市計画法第34条11号の条例を事例として
高野 健人秋田 典子
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 50 巻 1 号 p. 136-141

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抄録

神奈川県相模原市では、市街化調整区域の中でも他法令の規制力が弱い地域や、市街化区域周辺地域等の土地利用が混乱した地域に対して、3411条例を活用することで計画的な土地利用転換を図っている。本研究では、相模原市における3411条例の運用に対する調査結果から、個別協議に基づく3411区域指定の課題を明らかにし、市街化調整区域の適切な土地利用コントロールについて考察した。その結果、相模原市の3411区域指定は、市街化調整区域の中でも、農振法による土地利用規制と重複しない地域について、土地利用転換を促していることが明らかになった。残土置場化することで外部不経済をもたらしていた農地が、区域指定により、周辺市街地と調和する良好な住宅地へ転換されていた。一方、農振法の規制力が弱い地域では、農地が集積する地域で突発的な開発が生じた事例も確認されたことから、3411条例によるスプロールの進展や、営農環境の悪化に繋がる可能性が示唆された

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© 2015 公益社団法人 日本都市計画学会
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