都市計画論文集
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景観まちづくりにおける緑景観の保全を目的とした基準の策定要因に関する研究
西宮市甲陽園目神山地区における間口緑視率基準の策定に至るプロセスを対象として
高木 悠里嘉名 光市佐久間 康富
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2015 年 50 巻 3 号 p. 1090-1097

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抄録

西宮市景観計画に位置付けられる景観重点地区である甲陽園目神山地区は、景観形成基準に間口緑視率基準を定めている。 本研究では、目神山地区の地区計画・緑のガイドライン・景観重点地区における景観形成基準の策定プロセスを明らかにした。それにより、目神山地区において間口緑視率基準が策定できた要因を考察した。その結果、以下のことを明らかにした。地区計画の策定では、住民によるまちづくり協議会・西宮市・専門家(まちづくりコンサルタント)による活動体制が構築され、協議会を中心に活動が継続していくこととなった。 ガイドラインの策定では、建築家・石井修が目標空間像を示した。それを受けて、専門家が目標空間像とその実現方法を可視化した。 景観重点地区の策定では、西宮市が目標空間像と間口緑視率基準の関係を示した。そのうえで協議会・西宮市・専門家が協働し、検討を行うことで間口緑視率基準が策定された。 このように、活動が継続・発展することで、間口緑視率基準の策定に至った。

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© 2015 公益社団法人 日本都市計画学会
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