2015 年 50 巻 3 号 p. 509-516
本研究の新規性は、従来から用いられてきた街区の緑被規模に関係性の深い指標(街区非建蔽率や街区緑被率)に加 えて,街区の非建蔽地の形状を表す新しい2種の指標-樹木が立地可能な街区の開放性の指標(街区非建蔽地開放性比率)と非建蔽地の空間の複雑さを表す指標(街区非建蔽地線単純率)-を導入したことである。この指標を用いて、土地用途タイプをベースに,非建蔽地の規模・形状が緑被量に対してどの程度寄与しているかを分析した. その結果,自然的土地利用の街区では街区形状が開放/単純で,緑被規模に大きく寄与していることがわかった。一方で都市的土地利用の街区では様々な街区形状が存在し,街区形状の開放性・単純性が必ずしも緑被規模に寄与していない実態が明らかとなった。