都市計画論文集
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トランジットモールとなっている都市街路の静寂性に関する調査
街路騒音の現地調査に基づいて
波床 正敏
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2016 年 51 巻 3 号 p. 438-443

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抄録
本研究では,実際にトランジットモールが実施されている街路および比較参考用に日本の路面電車の走行する街路やその他の街路で騒音測定を行い,等価騒音レベルを計算するとともに音圧の分布を分析した.その結果,TMの静寂性について以下のようなことがわかった. トランジットモールにおける騒音レベルは,等価騒音レベルで見ると2車線や4車線の道路沿道レベルより静かであり,昼間の商業地の騒音レベルと同程度である.路面電車の走行している日本の街路についても,沿道が静穏であれば基本的には静かであるが,軌道や電車が古いために等価騒音レベルで見ると必ずしも静かでは無い. LRTとBRTとでは,明確な差は無いが突発的な大音量が発生しにくいためにBRTの方が等価騒音レベルは小さい傾向にある.日本の繁華街の街路は幹線国道でなくとも騒々しく,2車線道路や4車線道路の沿道レベル(70dB前後)と同程度である.
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© 2016 公益社団法人 日本都市計画学会
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