都市計画論文集
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電気自動車の航続距離が購入意向に与える影響に関するモデル分析
充電切れ確率と希望航続距離に着目して
三輪 富生森川 高行
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 51 巻 3 号 p. 667-672

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抄録

本研究は,EVの航続距離がEV購入意識に与える影響を把握することを目的として,充電器整備状況がEVの希望航続距離をどのように変化させるか,1日走行距離分布の容易な導出方法を示したうえで,人々がどのような充電切れ確率を許容しているか,希望航続距離や燃料切れ確率がどのようにEV購入意識に影響を与えているかについて分析を行った.分析結果より,大規模ショッピングセンターや勤務地など長時間の駐車を行う施設への充電器整備によって希望航続距離が低下すること,充電器が整備されていない状況では,人々は2%(100日利用において2日)の充電切れを許容すること,充電器が整備されることで許容される充電切れ確率が3%弱程度まで増加すること,希望航続距離とEV航続距離の比はEV購入意向を有意に説明できるが,充電切れ確率は有意に説明できないことなどが示された.

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© 2016 公益社団法人 日本都市計画学会
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